かんとくのこべや【第13話】
2021年4月27日
先日、「日本でもかんとくのこごとを楽しみにしています!!」と笑顔で本帰国をされたお父様が最後に残した言葉です。きっとこのこべやの事でしょう。ご期待に添えるべく、書かせて頂きました。こごとの域を遥かに超える長文駄文なんですが・・・。今度お会いした際には、遠慮なくこごとを申し立てたいと思います。笑
段階的に行動制限を解除を行っているロンドン。4月12日からは、屋外で違う世帯含め6名迄まで会う事が出来るようになりました。いろいろな生活に関わる店や屋外にスペースを持つ飲食店も再開し、外の風景はマスクをつけて歩く人以外は、ロンドンに以前のような日常が戻ったかと錯覚するくらいです。
さて、随分とこべやを空にしてしまいました。日本的な年度末、年度初めの独特な慌ただしさに、私も巻き込まれ(過ぎ)ました・・・。まだまだ修行が足りません。
前回、3月は嫌いだ―、とこのこべやで気持ちを吐き出しました。あらためて、1月からの転勤や本帰国による子ども達の異動者数を数えましたが・・・やっぱり嫌いになるような人数でした。
ただ非常に嬉しく有難いことに、この4月からまだ一ヵ月も経たない内に、予想を遥かに超える多くの子が新しくLJJのメンバーとして、一緒に活動してくれることとなりました。そのような子達のお陰もあり、LJJのピッチも依然と同様の活気を戻しつつあります。
そこで今日は、【チーム選び】について少し触れてみたいと思います。このチーム選びに関しては、特に初めてチームを変わる時に慎重になるテーマかと思います。LJJのサッカー指導に対する考え方に共通するポイントも含みますが、サッカー関わらずお子様の習い事等何かの参考になれば幸いです。
早速ですが、私がいつも伝えるチーム選びのポイントはこの二つです。
1,子どもが納得して自ら決めたチーム
2,サッカーの競技そのものだけではなく、教育的配慮と子どもの自主性や可能性を理解し伸ばす指導が出来るチーム
特に、大きな特徴はないかもしれません。が大切な事に間違いはありません。
まず、1に関してです。子どものサッカーは子どもの為のものです。自分がやりたいと思うから、その瞬間を頑張れる。私のように、半ば強引にチーム加入を親に決められ、今もなおこうしてサッカーに携わっているのは稀な例ですし、もしあの時自らの気持ちで飛び込むことが出来れば、より高いレベルでの活動が出来たと思います。それくらい、自分で物事を決めて進むというのは、大きな原動力となります。子どもに関わらず、大人だってそうだと思います。自ら進んで行う物事と、誰かに決められ押し付けられながらも行わなければいけない行動。どっちが、前向きで心地良いものかは明白です。
次に、2のチーム。ここが場合によってはなかなか難しいと思います。それはクラブの方針に依存するところが大きくなるからです。プロ排出を目指すような競技指向のクラブもあれば、ただ子どものサッカー活動の場を提供するクラブ、情熱のある指導経験豊富なコーチがいるクラブから、はたまた運動はもともと苦手でサッカー未経験のお父さんがコーチを務めるクラブなど。どんな目的があり、どんなコーチであっても教育的配慮や子ども自主性と可能性を考えないクラブは、私は反対です。なぜなら、子どもに関わること自体が教育の一環であり、子どもが主役になることが大事な事を理解していれば、必然的に子どもの自主性と可能性に目を向けるからです。
この2点が整ったチームに出会うことがあれば、きっと子ども達はサッカーという競技もそうですが人間的にも成長をしていくと思います。日本人も、世界トップの舞台で活躍する人が増えてきました。そして、そういった人たちはもれなく優れた人間性を持っています。ただただ競技力があるだけの人は、超一流が集う舞台に立つことはおろか、日本国内でもやがて消えています。必要なものは何か。そういった人達が既に証明をしてくれているのです。
最後に、気になる人もいるでしょう。どうやってそういったクラブと出会うか。これも私は常に添えますが、「いろいろなクラブを実際に見て体験する。」このことに尽きます。クラブの実態や、子どもの様子、コーチングや関わりなどは、実際の現場でしか真実を見る事が出来ません。今の時代ですので、HPの見栄えが良い、SNSでの情報発信が細やかで、そこからの情報も確かに参考になるかもしれませんが、絶対の評価項目にはなりません。
以上のようなことを考えず、「あそこのクラブは強いらしい」「綺麗なピッチで練習をしている」「HPの見た目がどうも」「少年団の活動よりちゃんとしたクラブでしょ」のような情報だけを頼りに勝手にクラブを決めてしまうと・・・思っていたのとなんか違うといったことも少なくありません。でもその始まりはおおよそこういった情報からクラブを決定してしまったからでしょう。私は複数チームの体験中に出会った子には必ずこう伝えます。「また次に一緒にサッカーが出来るのを楽しみにしてるよ。でも自分のチームは自分で決めて、ここでやりたいと思ったら来てね。」と。
LJJを離れてもなおサッカーを続けている子もいれば、サッカーを離れてしまった子もいます。それでも、一緒にサッカーを通じて関わり合いを持てた子達がどのような道であろうと、自分の意思と覚悟と責任をもって前に進んでいることを心から願うとともに、これからも応援し続けていきたいと思います。
水野嘉輝
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